2014年1月2日木曜日

人生はビギナーズ(2010年)


人生はビギナーズ

マイク・ミルズ監督・脚本によるアメリカ合衆国の映画。ユアン・マクレガー主演。

“「私はゲイだ」 父が75年目に明かした真実が、僕の人生を大きく変えた。”
ポップなメインビジュアルと、キャッチーなコピーを見て、コメディかと思い込んで鑑賞してしまったら、全然違いました。

奥手で、自分から積極的動くタイプではない38歳独身男・オリヴァーが、母を亡くした後ゲイとカミングアウトした父と、最期の時を共に過ごしたことで、少しずつ変わって行く
長年ゲイであることを隠していた父に戸惑いながら、そしてカミングアウトしたことで毎日を楽しみはじめる父に驚きながら、愛に生きた父を知って行くオリヴァー。
簡単に「そうなんだね」と受け入れられる現実ではないが、父が生き生きとしていることこそがリアルな現実となる。

父は亡くなり、孤独の中でひとりの女性と出会い恋をするのだが、オリヴァーは不器用で内向的。そして、母を失い、父を失ったばかりで失うことを恐れている…。オリヴァーが失うことを恐れ自ら関係を終わらせるところは、気持ちが痛く、苦しくなってしまった。


それでも、ラストはすがすがしい。
なんでもうまく行くわけがない人生。辛いことも、受け入れがたいことも、ハッピーだけじゃ生きられないのが人生だ。
「わからないけど、とりあえずやってみよう。どうせみんなビギナーなんだがら」という、スタンスがとても気持ちよかった。信じればうまくいくよ!という、無責任な前向きではなく、当たって砕けろ!の、手放しの冒険でもない、もう少し軽い気持ちのやってみようという感じが、気持ちを楽にしてくれる映画だった。

それも淡々と進む静かなストーリーの中で「あの父もビギナーなりに人生を楽しんだんだ。」という、視点を通して伝わってくるので、押しつけがましくなく、なのに、納得できてしまうのだろう。


ちなみに、この映画は監督の実話を元にしているそうで。
映画監督は、こういう形で親孝行できるのはすてきだな。麦子さんもそんな監督エピソードあったっけ。


0 件のコメント :

コメントを投稿