2014年1月4日土曜日

フィッシュストーリー(2009年)


フィッシュストーリー

伊坂幸太郎の同名小説が原作。監督・中村義洋、出演者・伊藤淳史、高良健吾、多部未華子、濱田岳。斉藤和義が楽曲をプロデュース。

オムニバス風に異なるエピソードが、展開し、それが最後ひとつにつながっていく、伊坂さんお得意の展開。伊坂さんのこのタイプの小説は『ラッシュライフ』の失敗もあるので、この展開の映画化はかなり難しいのではないかと思っていたが、最後まで観るときちんと伊坂さんの世界観を壊さず映画化されていてよかったです。
映画にするとこう表現するのか!と思いました。

1975年に録音された売れないバンド・逆鱗のラストソング「フィッシュストーリー」が、時代を超え、形を変え、結果的に2012年の隕石衝突の危機にさらされた地球を救うことになる。
「この作品(音楽だったり、小説)が、世界を救う。」という、思想は伊坂さんの根底にある思想なんでしょう。他の作品にもちょくちょく出てきます。そして、直接何かを救わなくても、「誰か」に届き、それが伝わり、つながっていくという考え方も。謙虚にものすごく大きいことを企んでいる感じ、嫌いじゃないです。

ラストでそのつながりを連続して見せる方法もよかった。
伊坂さんの小説は、読んだことある人は、その先の展開を予測できたりするし(もちろん裏切られることもあるけど)、読む人によって伏線に気づくのには差があるので、文字だと想像でしかなくても、映像だとどうしてもまるっと見えてしまうところが難点だと思っていたのだけど、各エピソードではうまい具合にごまかして、「ええ?もしかして」と予感を感じさせつつも、最後にまとめて見せているのはうまいな〜と、思いました。


それにしても、豪華な出演陣ですね。高良くんの歌唱力にもびっくりしました。



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