2014年1月2日木曜日

ニュー・シネマ・パラダイス(1988年)



ニュー・シネマ・パラダイス

1988年公開のイタリア映画。監督はジュゼッペ・トルナトーレ。

完全版で鑑賞。3時間弱の長い映画にもかかわらず、ラストに向けて全てがつながり、徐々に感動が高まっていき、飽きなかった!

映画好きのいたずら小僧トトが、大人になり、映写技師の老人アルフレードの思いをラストで知ることになるところで、涙が止まらなくなった。

兵役を終え村に戻ったトトは、かつてのようにアルフレードに映画の話を振る。そんなトトにアルフレードは「人生は映画とは違う。村を離れろ。」と突き放し、トトを村の外に出るように仕向ける。「ノスタルジーに惑わされず、かつて、映写室を愛したように、自分のすることを愛せ」と。
最初は、狭い村じゃなく、広い世界を見て経験しろ、ということなのかと思っていた。そう思うと恋を阻んだところが納得いかなかった。

けれど、最後、アルフレードの遺した映画を観て分かった気がした。
アルフレードは、いつかキスシーンも映画館で上映できる日が来ることを願っていたのではないだろうか。自由に映画を作り、上映できる日が来ることを。
そして、自由に恋愛できる日が来ることも。

アルフレードはトトに、キスシーンがカットされる映画をあたり前に思って欲しくなく、縛られた恋愛しかないと思って欲しくなかったのではないだろうか。この街にいれば、自然とそれはあたり前になってしまうことを避け、村から出したのではないか。

アルフレードが夢見た映画の未来、トトに託した映画の未来。
アルフレードはトトに映画も恋愛も自由に表現できる楽園で生きて欲しいと願った。トトのラストの笑顔は、30年前に託されたその思いを理解した表情だったように見えた。


他にも胸が熱くなるエピソードが随所にある。折に触れて、また見たくなる映画になりそうだ。


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