2014年7月9日水曜日

渇き。(2014年)



渇き。

「告白」の中島哲也監督が同作以来4年ぶりに手がけた長編作品で、第3回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞した深町秋生の「果てしなき渇き」を映画化。妻の不倫相手に暴行を加えて仕事も家庭も失った元刑事の藤島昭和は、別れた元妻の桐子から娘の加奈子が失踪したと知らされ、その行方を追う。容姿端麗な優等生で、学校ではマドンナ的存在のはずの加奈子だったが、その交友関係をたどるうちに、これまで知らなかった人物像が次々と浮かび上がってくる。娘の本当の姿を知れば知るほどに、昭和は激情に駆られ、次第に暴走。その行く先々は血で彩られていく。ろくでなしの元刑事・昭和役で役所広司を主演に迎え、娘・加奈子役には新人・小松菜奈を抜擢。妻夫木聡、二階堂ふみ、橋本愛、オダギリジョー、中谷美紀ら実力派が共演する。(以上、映画.com


出てくる人、まじ全員狂ってる!
血ドロドロの暴力の応酬。

それはわかっていたし、それ期待していた。
狂ったものが見たかったから、それは達成。


あいかわらず、映像はなんかポップでテンポよくて、ぐいぐい行く感じ。
置いていかれないように、しがみついていなきゃっていう、ジェットコースターな感じ。

告白』は淡々としたストーリーと、ポップな展開があっていたけど…
これは置いていかれました。
なぜなら、登場人物が多い!しかも、全員豪華で焦点を合わせられないまま、展開するもんだから…と、完全に置いていかれました。


正直、最後までゲスで最低で、狂気で突っ走って欲しかった。
なのになぜか最後、「え?家族愛?」みたいな…
そんな救いいらなかった。
ゾンビ映画ばりにバッタバタ人が死んで、それで終わりでよかったような気がしたんだけど。

もちろん原作があるので、その辺は原作通りなのかもしれないけどね。
そのラストと登場人物の多さが、中島監督とはそんなに相性がよくなかったんじゃないかな。

「狂気」を扱う監督みたいになってるのも気になる。



ジェットコースターな感じはよかったんだけど(だから、登場人物多くて置いていかれたことはまあいい)、最後のとってつけた救いが『告白』とは違う気持ち悪さだった。

救いなんていらないんじゃないか。理由なんていらないんじゃないか。
なんとなく突き動かされて、それっぽい理由むりやりつけて。そんなもんでしょう。


でも、小松菜奈はかわいいし、役所広司はすごいし、他の役者も全員すごかった。
チョイ役も含め。鬼気迫る感じと、根深さみたいな。

ま、全員すごすぎたからこそ散漫になったのは否めないが。