2014年2月11日火曜日
ニシノユキヒコの恋と冒険(2014年)
『ニシノユキヒコの恋と冒険』
真実の愛を求め様々な女性と恋愛を重ねる男ニシノユキヒコの生きざまを描く、芥川賞作家・川上弘美の連作短編集が原作。井口奈己監督、竹野内豊主演。尾野真千子、成海璃子、木村文乃、麻生久美子、阿川佐和子、本田翼が出演。
何というか…竹野内豊がかっこいいだけの映画でした。ものすごくかっこよかったです。ただ、それだけ。
ニシノ君のモテモテ恋愛遍歴を描きたいのか、ニシノ君の魅力を描きたいのか、ニシノ君の孤独を描きたいのかまったくわからず。
確かにひとつひとつのエピソードは、かわいいし、尾野真千子の職場でのふたりのやり取りとか、本田翼とのやり取りとか、「あ~あるある!」っていうのも多いし、キュンとするポイントがないわけじゃない。だけど、「で?何?」となってしまう。短編小説だから、ひとつひとつのエピソードが並列になるのはしょうがないけど、オチがないというか…。
それでも内容について思ったことを少し言うと、麻生久美子演じる夏美が、「ニシノ君はわかっちゃうんだよね、女の子がどうして欲しいのか。」って言うけど、分かってないでしょう(笑)。ただ優しいだけでしょう。しかも、相手を考えての優しさじゃなくて“なんとなく、そうしちゃう”程度の。だって、本人何もわかってないじゃん。
「ふつうに結婚したい。ふつうに幸せになりたい。なんでいつもフラれちゃうんだろう。」って言うけど…、分かってないところが罪だよね。尾野真千子が別れを切り出すところなんて、要は「一人でいる孤独より、誰かといる孤独」問題なわけで。
でも、モテる。
まあ、いないわけじゃないと思う。ああゆう無自覚に優しくて、その結果「一人でいる孤独より、誰かといる孤独」を与えてしまう人って。で、そんなエピソードをいくつも展開していって…だから?という、オチ。結局ニシノ君の気持ちはわからないしね。
そんな人もいたよね~って、思い出して笑うには、そんなに魅力が感じられなかった(竹野内豊の顔と体は魅力的)。そういう映画にしたかったのかなと感じたんだけど(“そんな人もいたよね~って思い出して笑ってしまう映画”というジャンルがもしあるなら、『横道世之介』は間違いなく最高ランク)。
あと、オチはなくてもいいとは思うんだけど、ゆったりほっこり路線でもいいと思うんだけど、そういう映画も嫌いじゃないから。ただ、やっぱ長いと思う。無駄なカットが多い気がしました。やたら長いカット割りや、やたら挿入される情景だけのカット…。長いし、多いしで疲れてしまいました(また『横道世之介』の話になってしまうけど、世之介はそのカットの長さがうまくいってた)。
もうちょっとコンパクトなつくりだったら、竹野内豊のかっこよさでテンションをキープしつつ、まとめられたような気がしてならなかったです。なんとなく消化不良になってしまう映画でした。
あ、アートワークはすごくかわいいです!
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