2014年2月10日月曜日

ショコラ(2000年)



ショコラ』(2000年)
原作はジョアンヌ・ハリスの同名小説。ラッセ・ハルストレム監督。ジュリエット・ビノシュ、ジョニー・デップが出演。

あるフランスの田舎の村にやってきた一風変わったヴィアンヌ母子。ヴィアンヌたちは、宗教上、断食があり、厳しい戒律のもと抑圧された街にチョコレート屋をオープンさせるところから始まる。
厳格な戒律の下で暮らす様々な人々の心をチョコレートで、癒していく…という話だが、ほっこり癒し系?と、思いきや全然癒し系の映画ではない。むしろ、香水の魅力に憑りつかれた青年を描いた『パフューム』を思い出した。チョコレートの効能と言えば聞こえはいいが、不思議な力というか…魔力というか。チョコレートに癒され、度々来店するようになる村民たちは、ある種の中毒状態にいるように見えてくる。

もともと、村長・レノ伯爵の力で教会を管理し、厳格な戒律を定めることによって、村民たちを支配してきた経緯がある。その戒律からの自由を促すヴィアンヌと村を支配するレノ伯爵は対立するが、徐々にヴィアンヌのチョコレートの力で、村民たちは自由を求めるようになる。
だが、それは本当に自由なのだろうか?ヴィアンヌは支配こそしないが、村民たちは結局チョコレートに魅了され続けているではないか。結局なにかに依存することを求め続ける村民たちの姿が、とても不気味に見えてならなかった。

ヴィアンヌはチョコレートを振る舞ったり、ジプシーたちとの仲を取り持ったり、村民のために様々なことを行うが、その真意が見えないからかもしれない。ヴィアンヌ母子が、北風の旅に村を転々とする理由も、旅立たなければならない理由も。チョコレートの効能を広めるため?でもなぜ?と、疑問が常にまとわりつき、奇妙さを最後まで拭うことがどうしてもできなかった。
そして、そこにチョコレートの不思議な力が入ってくるわけだから。


なぜ、そんなに違和感を感じてたかというと、TSUTAYAで「ラブストーリー」のジャンルにあったからに他ならない。これが「ミステリー」や「ドラマ」にあれば、なんの違和感も感じず楽しめたのに…と、悔しくてならない。
ラブストーリーなのでしょうか?うーん。ラブストーリーじゃないわけじゃないけど…。


でもまあ、『ショコラ』というタイトルだけあって、チョコレートはどれもおいしそうでした。特に気になったのが、ホットショコラにチリペッパーを入れたやつ。
この映画はどちらかというとビターチョコにチリペッパーのアクセントが入った、大人な後味でした。

お後がよろしいようで。


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