『世界でいちばん不運で幸せな私』
2003年に公開されたフランス映画。ヤン・サンミシェル監督。
フランスでは、140万人を動員する大ヒットを記録し、日本では2004年に公開された。
子供の頃に、「相手に条件を出し、出された条件には絶対にのらなくてはいけない」というゲームを始めた、ソフィーとジュリアン。
子供の頃のゲームの条件は、無邪気ないたずらでしかなかったが、大人のそれは悪趣味で周りいにも迷惑なものになっていった。
ふたりはいくつになっても、「ゲーム」をやめることができない。ふたりは「ゲーム」でしか、つながっていられない不器用な関係に陥っていってしまったのだ。誰よりもお互いが必要なのに、自分の気持ちさえ「ゲーム」の影に見失って。
「ゲーム」のせいで、ちぐはぐな関係になってしまい、でも、「ゲーム」がある限り関わっていられるという無限のループの中にはまってしまったような。。。
ラストは、ちぐはぐなふたりもお互い素直になり、ハッピーエンド!と、言いたいところだが、これはハッピーエンドなのだろうか?いや、ハッピーエンドなんだろうけど…悪趣味で破天荒なふたりならではの、ハッピーエンドというところでしょうか(笑)。
「ゲーム」に振り回されて、素直になれない二人だけど、お互いが「ゲーム」を介してでもつながっていられたのは、「相手が出した条件には、必ず乗る」という二人の「約束」があったからなんだろう。「相手が出した条件には、必ず乗る」というのは、「ゲーム」であり、二人の「約束」だった。
それは要するに、絶対に相手を裏切ることはない、見放さないということと同意だ。
ジュリアンが出した最後の「ゲーム」が、「君を熱愛する」だったように。
(二人の性格が悪趣味で不器用だから余計「ゲーム」がおもしろくなっているんだけど、二人がそういった性格になる理由も描かれているので、すんなり納得できてしまう。)
『アメリ』となんとなく似ているので、『アメリ』が好きな人は好きかも。
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