2013年11月26日火曜日

世界でいちばん不運で幸せな私(2004年)



世界でいちばん不運で幸せな私

2003年に公開されたフランス映画。ヤン・サンミシェル監督。
フランスでは、140万人を動員する大ヒットを記録し、日本では2004年に公開された。

子供の頃に、「相手に条件を出し、出された条件には絶対にのらなくてはいけない」というゲームを始めた、ソフィーとジュリアン。
子供の頃のゲームの条件は、無邪気ないたずらでしかなかったが、大人のそれは悪趣味で周りいにも迷惑なものになっていった。

ふたりはいくつになっても、「ゲーム」をやめることができない。ふたりは「ゲーム」でしか、つながっていられない不器用な関係に陥っていってしまったのだ。誰よりもお互いが必要なのに、自分の気持ちさえ「ゲーム」の影に見失って。

ソフィーの「私たちってどこかちぐはぐなのよ」というセリフがあるが、まさにその通り、すれ違いの繰り返しで、しかもお互い不器用な上に「ゲーム」があるものだから、そのちぐはぐがエスカレートし、ますます素直になれなくなっていく。
「ゲーム」のせいで、ちぐはぐな関係になってしまい、でも、「ゲーム」がある限り関わっていられるという無限のループの中にはまってしまったような。。。


ラストは、ちぐはぐなふたりもお互い素直になり、ハッピーエンド!と、言いたいところだが、これはハッピーエンドなのだろうか?いや、ハッピーエンドなんだろうけど…悪趣味で破天荒なふたりならではの、ハッピーエンドというところでしょうか(笑)。


「ゲーム」に振り回されて、素直になれない二人だけど、お互いが「ゲーム」を介してでもつながっていられたのは、「相手が出した条件には、必ず乗る」という二人の「約束」があったからなんだろう。「相手が出した条件には、必ず乗る」というのは、「ゲーム」であり、二人の「約束」だった。
それは要するに、絶対に相手を裏切ることはない、見放さないということと同意だ。

ジュリアンが出した最後の「ゲーム」が、「君を熱愛する」だったように。

この物語は「子供の頃の約束を、大人になっても守る」というシンプルなことなんだろうけど、「ゲーム」(それもちょっと悪趣味な子供たちの)というやり方で描くことによって、二人の関係はちぐはぐに、複雑に遠回りして、やっと気づくというファニーなラブストーリーになったように感じた。
(二人の性格が悪趣味で不器用だから余計「ゲーム」がおもしろくなっているんだけど、二人がそういった性格になる理由も描かれているので、すんなり納得できてしまう。)


『アメリ』となんとなく似ているので、『アメリ』が好きな人は好きかも。


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