大島渚監督、1999年公開の『御法度』。主演の松田龍平のデビュー作で、当時中学生という話は有名な話。
ここ最近松田龍平出演作を片っ端から見ていたが、なんとなく見る機会がないままになっていた『御法度』を、松田龍平ナイトで見ることができた。
それが、改めて「映画っておもしろい!」と思ったきっかけになった。
その日は夜9時くらいから、トークショー、『舟を編む』、『まほろ駅前多田便利軒』と立て続けに観ていたし、なんせトークショーでテンションは最高潮に上がっていて、『舟を編む』も安定のおもしろさだったのだから、午前4時から始まる時代劇は睡眠覚悟で挑んでいた(申し訳ないことに)。
しかもデビュー作なんだから、演技もそんなに期待できないだろうと(これまた申し訳ないことに)。
そんなテンションで挑んだ『御法度』。いや、ほんとごめんなさい。
なにこれ、面白すぎる。
ストーリーはもちろん(原作は司馬遼太郎の短編小説集『新選組血風録』収録の「前髪の惣三郎」と「三条磧乱刃」)、殺陣も、映像も、衣装も、演技も、とにかくしびれた。
演技は、基本的にみんなうまくない(笑)。たけしなんか安定の棒読みだし。
でも、それが淡々とした狂気みたいなものをかもしだしてるような。
松田龍平の美しさや、男色のことしか前情報として知らなかったし、むしろどっちかっていうと、美しい男設定照れくさい&BLものに興味ないから、縁遠かった作品だった。ほんとごめんなさい。
とにかく龍平は、すばらしく妖しく美しかったです。はい。
さらに、「映画っておもしろい!」につながったのが、このときの上映が35mmフィルムでの上映だったこと。
最近はデジタルに慣れて、気にもしなかったんだけど、35mmフィルムってたまに黒い影(?)やシミや、ブレみたいなものがプツップツッと入り込むんだね。
意識してなかったのに、「うわ、この感じ懐かしい!」って思った。そのプツップツッというノイズも、映画の雰囲気に合ってたな。
あとやっぱり、黒がきれい。家のテレビで見ると黒が多い映画って、どうしても映り込みとか気になって集中できないから、劇場で観れて、しかもフィルムなので『御法度』の墨っぽい黒がきれいに見えたのもあるのかも。
自分の中で、「前のめり級」っていう映画の評価ランクがあるんだけど、まさにそれ。
しかも、「“午前4時の”前のめり級」っていう!
とにかく、100分間アドレナリンでまくりの映画だった。
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