2014年3月14日金曜日
愛の渦(2014年)
『愛の渦』
劇団「ポツドール」を主宰する劇作家・演出家の三浦大輔による戯曲をもとに、三浦大輔自身が監督を務め、映画化。
主演は池松壮亮、ヒロインは門脇麦。R18+指定。
フリーター、女子大生、サラリーマン、OL、保育士など、ごく普通の人々が六本木のマンションの一室に集まり、毎夜繰り広げる乱交パーティに明け暮れる姿を通して、性欲やそれに伴う感情に振り回される人間の本質やせつなさを描き出していく。主人公のニートの青年を「半分の月がのぼる空」「砂時計」の池松壮亮が演じ、ヒロインとなる女子大生を東京ガスやチョコラBBのCMで注目を集める新進女優の門脇麦が演じる。そのほかの共演に新井浩文、滝藤賢一、田中哲司、窪塚洋介ら。(以上、映画.com)
『恋の渦』の部屋コンから、『愛の渦』は乱交パーティーでの物語へ。
結論で言ってしまえば、『恋の渦』の方が、人対人のやりとりがエグイです。『愛の渦』はもっと純粋に「ただヤリたいだけ。」。
でも『恋の渦』同様、些細な心の動きとか、かけひき、言葉として口に出すことと、その裏の真意などは、ありそう!と言うようなリアリティがあった(あくまでも、ありそう!なのは、乱交パーティに行ったことないから)。
『恋の渦』も結果的には、「ヤりたい」っていうところに行きつくんだろうけど、あくまでも表面上は恋愛→セックスっていう流れをたどろうとするから、登場人物同士が感情のやりとりを重視するところがある。それに対して、『愛の渦』は別に感情のやりとりなんて必要なくて、その一晩セックスをやるだけの相手。なのに!一応、人並みの感情のやりとりを経ようとするところが、一瞬ある。最初はきれいごとなところが、妙にリアルでおもしろいなあと。
ま、結果的にそんな世間話より、スケベトークでしょ!と、なるんだけどね。
ただヤリまくりたい保母さん、OL、フリーター、サラリーマンと、二人で何だかんだがんばってる童貞と常連も置いといて。
池松くんと門脇麦の演技が、素晴らしかった。なんというか、すごい…。二人とも、前半は感情を抑えたキャラで、何で来たの?!っていうくらい無口なんだけど、二人でセックスシーンから表情変わる。その変化もものすごく小さな変化。
池松君は特に、目の輝きの違いがすごいなと。興奮とか、嫉妬とか、うれしさとか、焦りとか、そういうのを目の輝きで演じてて、今まで童顔のかわいらしい役者くらいにしか思ってなかったんだけど、ゾクっとする感じがあった。
門脇麦も、地味~な役で、顔も他の女性人より、まあ地味。なんだけど、一番エロい!色気がハンパなかった。メガネを取ったら美女っていう、まさに王道パターンのシーンで、まんまとやられました。
濡れ場の演技は…どうなんだろ。門脇麦のあえぎ声が、最初やりすぎで笑っちゃたんだけど、なんか話が進んでいくうちに、彼女にとって、セックスしてるときが、生きているときなのかなと思ってきたりもした。(「生きている」という感想は、終盤で否定されるから、なんとも言えないんだけど…。)
でも、とにかく、最後の方ではその野生っぽいあえぎ声すら、受け入れられるようになっていったから不思議。
池松くんと門脇麦を通して、男女の違いも描かれていたところも、気になったポイント。
「あの部屋にいたのは私じゃない」と、否定する女と。
「あの部屋にいたのが本当の自分」という男。
その意見の違いが、なんか男と女の性に対するとらえ方の違いなのかな~と。
あと、池松くんの勘違いに対して、ピシャリと拒否するところがすごくいい。池松くんは、地味な女の子の性の部分を引き出したって思ってたり、女は一度ヤレば気持ちも動くみたいな神話を信じていたんだろうな。なめんなよ。という、スタンスがすごくいい。たとえどんなに、現実が退屈でも、最後には現実に帰っていく門脇麦と、結局また無職のままであろう池松くんの対比が何とも言えないものがあった。
あのまま、電話番号交換して~とか、なってたら確実に萎えてたわ。
そして、朝5時の強烈な朝日と平和なテレビのニュースで現実に戻るところ。あるよね。
朝日って照れくさいよね。
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