2014年3月25日火曜日

ダラス・バイヤーズクラブ(2013年)



ダラス・バイヤーズクラブ

マシュー・マコノヒーが、エイズ患者を演じるため21キロにおよぶ減量を達成して役作りに挑み、第86回アカデミー賞で主演男優賞を受賞した実録ドラマ。1985年、テキサス生まれの電気技師ロン・ウッドルーフはHIV陽性と診断され、余命30日と宣告される。米国には認可された治療薬が少ないことを知り、納得のできないロンは代替薬を求めてメキシコへ渡る。そこで米国への薬の密輸を思いついたロンは、無認可の薬やサプリメントを売る「ダラス・バイヤーズクラブ」を設立。会員たちは安い月額料金で新しい薬を手にすることができ、クラブはアングラ組織として勢いづく。しかし、そんなロンに司法の手が迫り……。ロンの相棒となるエイズ患者でトランスセクシャルのレイヨンを演じたジャレッド・レトも、アカデミー助演男優賞を受賞した。(以上、映画.com)


『ウルフ・オブ・ウォールストリート』のギラギラした役から一転、マシュー・マコノヒーの病人の演技がハンパない。
ひとつの映画の中でも、こんなに体の変化って作れるんだ…。すごい…。

話は、どうしようもない男がエイズになって、自ら「生きる」ためにどうしたらいいか奮闘し、それが多くのエイズ患者を救う活動につながっていくというもの。
もともとがどうしようもない男だから、きれいごとだけじゃないし、「生きたい」というシンプルな思考だけで突き動かされている感じがすごくよかった。金もドラッグも酒もやるけど、「生きたい」って逆行してるけど、「生きる」っていうことは、怖いししんどい。特にリアルに近づいてる死の恐怖を、彼は抱えたまま生きてるわけだし。

最初の「まだ死にたくない」という感情から、薬の密輸入をして、「生きる」という感覚が蘇ってくる。そして、誰かの役にもたち、「生きている」実感が伴ってくる。その気持ちの変化がすごくリアルでシンプルで、かっこいいと思った。

○○のために、生きたい。
そんな、明確な目的なんて、果たして死に直面したとき思うのだろうか。それよりも、「死にたくない→生きている」という感覚の方がよっぽどリアルじゃないか。

生きているという感覚がなきゃ「生きたい」なんて思えないはずでしょ。


「死なない為に生き続けるのは嫌だ」というロンの言葉がある。
生き続けようと戦うロンの姿がとにかくかっこいい。

それが、マシュー・マコノヒーの肉体でもって演じられていることで、より「生」をビシビシと伝わってくるものになっていた。

余命ものだけど、これは死ぬ前の闘病記なんかじゃなくて、「生きる」ということを描いた映画ですね。
「生きる」ってかっこいい!

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